防水工事の保証書の見方|対象・期間・免責を確認

防水工事の保証書は、対象となる場所・直してもらえる不具合・期間・連絡先を確認してください。
「10年保証」と書かれていても、屋上やベランダのすべての不具合を、10年間無料で直してもらえるとは限りません。

防水工事は、床や屋上に雨水を通さない層を作り、壁の根元や排水口とのつなぎ目からも、水が入り込まないようにする工事です。
工事する範囲と、保証される範囲を図面に重ねて見ると、契約前に聞くことが分かります。

保証の対象を場所ごとに確認

防水層(ぼうすいそう)とは、床や屋上に作る、雨水を通さない膜やシートのことです。
床の真ん中だけでなく、壁の根元へ折り上げた部分や、排水口とのつなぎ目にも防水の作業があります。

見積書と保証書を、同じ場所で照らし合わせる床の防水、壁の根元、排水口、窓まわりを別々に確認する断面図1234
  • 1.床:雨水を通さない膜やシート。施工面積と、保証の対象となる場所を確認。
  • 2.壁の根元:床から壁へ防水を折り上げる部分。「立ち上がり」と呼びます。
  • 3.排水口:床と排水部材のつなぎ目。下につながる配管も対象か確認。
  • 4.窓まわり:床の防水とは別の工事になることがあるため、対象か確認。

例えば「ベランダ床の防水工事」だけを契約した場合、窓の周囲や外壁から入る雨水まで、同じ保証で直せるかは別の確認が必要です。
雨漏りのある場所と、防水を施工した場所を分けて確認しましょう。

日本防水材料協会の保証書ひな形も、防水を施工した場所からの漏水と、施工場所の外からの漏水を区別しています。
日本防水材料協会の保証書ひな形の案内

保証書で見る6つの項目

契約前に保証書の見本をもらい、工事が終わったら、自宅の住所・工法・面積が記入された保証書を受け取ります。
「工法」は、液体を塗って膜を作る、シートを取り付けるなど、防水を施工する方法のことです。

表は左右に動かして確認できます。

項目書面で確かめる内容分からないときに聞くこと
保証する会社契約した会社、実際に施工する会社、材料メーカーなどの会社名。困ったとき、最初にどこへ連絡しますか?
施工箇所と面積屋上・ベランダ、床・壁の根元・排水口など。図面と面積(㎡)を照合。工事した場所は、すべて保証の対象ですか?
保証する不具合雨漏り、防水のはがれ・膨れなど、書かれている症状と直す範囲。雨漏りがなくても、膨れを直せますか?
期間と連絡期限開始日、終了日、不具合を知ってから連絡する期限。いつまでに、どう連絡すればよいですか?
対象外と維持管理保証の対象にならない条件、点検、排水口の清掃や表面の塗り直し。必要な点検はいつで、有料ですか?
調査・修理と費用原因を調べる手順、保証対象外と分かった場合の費用、室内の修復。調査費と室内の修理費も対象ですか?

保証書の記載例や会社ごとの条件は同じではありません。
材料の品質についての保証と、工事の施工についての保証が、どの会社の担当になるかも書面で確認してください。

日本防水材料協会のひな形では、施工と材料のどちらに原因があるかで責任範囲を分けています。
会社が連名でも、すべて同じ条件とは決めつけないようにしましょう。
日本防水材料協会の防水保証書ひな形(PDF)

全国防水工事業協会のモデルも、施工箇所、材料・面積、保証内容、期間を記載する構成です。
自宅の工事では、その項目が埋まっているかを見てください。
全国防水工事業協会の保証書モデル(PDF)

対象外になる条件と点検の約束

「免責(めんせき)」とは、保証書に定めた、保証の対象にならない条件のことです。
例えば、別の業者が設備工事で防水を傷つけた場合などは、誰が直すかを確認する必要があります。

後から設備を取り付けるとき

室外機や太陽光設備、物干しなどを取り付ける前に、防水を施工した会社へ相談します。
床へ穴を開ける、重い物を置く作業が、保証にどう影響するかを確認しましょう。

点検やお手入れをするとき

排水口の清掃や、防水の表面を守る塗料の塗り直しが必要か確認します。
点検の時期、依頼先、費用をメモし、作業記録を保管しましょう。

全国防水工事業協会のモデルには、使い方や維持管理が条件として記載されています。
「保証期間中だから、お手入れもすべて無料」とは限りません。
必要な作業と費用は、契約前に確認してください。

雨漏りや不具合が出たときの連絡

雨染みや防水の膨れに気付いたら、保証書に書かれた窓口へ早めに連絡してください。
保証期間だけでなく、「不具合を知ってから連絡する期限」が定められている場合もあります。

連絡の前に、写真と工事書類をそろえる雨染みの場所と広がりを写真に残すカメラのイメージ
  • 写真:室内の雨染みの全体と近くの写真。安全に見える範囲で記録。
  • メモ:気付いた日、雨が降っていたか、どこから水が出たか。
  • 書類:契約書・見積書・施工写真・保証書。工事した会社と日時を確認。
  1. 01|窓口へ状況を伝える「いつ、どこに、どんな症状が出たか」を伝え、写真を送る方法と訪問日を相談します。
  2. 02|原因と保証の対象を確認する防水の施工箇所に原因があるか、どの作業を保証で直すか、説明を受けます。
  3. 03|費用を確認して修理を依頼する調査・修理・足場・室内の修復のうち、負担が必要な費用があるか確認し、作業内容を書面に残します。

室内の荷物を安全な場所へ移すなど、被害が広がらない対応も行います。
屋上へ無理に上がる、調査前に防水をはがすなどの作業は避け、緊急対応が必要な場合は窓口へその旨を伝えてください。

工事の写真や引き渡し書類を残す方法は、工事完了時に受け取る書類と施工写真でも確認できます。

2社の保証を比べる具体例

次は、保証書を読む順番を示す説明用の例です。
実際の会社の条件ではありません。
年数だけを見る前に、同じ場所・不具合について比べてください。

表は左右に動かして確認できます。

比べる項目A社の説明用の例B社の説明用の例
期間10年と記載。開始日も確認。5年と記載。開始日も確認。
対象床の防水。排水口の扱いが不明。床と排水口の接続部を記載。
費用と連絡先調査費の扱いが不明。調査から修理までの窓口を記載。
次に確認すること排水口・調査費を追記してもらう。対象外の条件、点検費を確認する。

この時点では、どちらが良い保証かは決められません。
空欄を説明してもらい、対象・費用・維持管理の条件が分かってから比較しましょう。

防水工事全体の見積書は、防水工事の見積書を比較する手順で、工法・面積・下地の補修と一緒に確認できます。

防水工事の保証書のよくある質問

Q.防水工事なら必ず10年保証ですか?

A.必ず10年とは限りません。
工事する場所、工法、既存の床の状態や契約内容によって異なります。
提示された保証書で、開始日・終了日・保証内容を確認してください。

Q.雨漏りが起きたら、全部無料で直せますか?

A.保証の対象と原因によります。
施工した防水の修理と、室内の天井や荷物の損害は同じ範囲とは限りません。
調査の手順と、対象外の場合の費用も確認しましょう。

Q.工事した会社がなくなったら、材料メーカーに頼めますか?

A.自動的に引き継がれるとは限りません。
メーカー、保険会社、別の保証制度などが関係する場合も、それぞれの保証書・証券の条件によります。
契約前に、その場合の連絡先と対象を確認してください。

Q.表面の塗り直しも保証に含まれますか?

A.補修と定期的なお手入れを分けて確認します。
「トップコート」は、防水の膜やシートの表面を守る塗料です。
その塗り直しが保証の条件になっているか、いつ、誰に依頼し、いくらかかるかを確認してください。