防水工事の見積書を比較|工法・面積・下地・保証の確認表

2026年10月19日

防水工事の見積書は、工事する場所と面積・工法と補修・支払う総額・保証を確認して比較してください。
「防水工事一式」と書かれていても、床だけを直す案と、周囲の壁や排水口まで直す案では中身が異なります。
工法が違う場合は、無理に同じ方法へ変更する前に、自宅の状態に合う理由を各社へ聞きましょう。

この記事では、見積書を受け取った方が、2社の違いを整理して質問できる確認表をご紹介します。
工事前に相談したい方は、図面や気になる場所の写真を用意すると、希望を伝えやすくなります。

見積書を並べたら、先にここを確認
  • 床・周囲の壁・排水口が、それぞれ工事に入っているか。
  • 古い防水を取り除く作業と、傷んだ部分の補修が入っているか。
  • 工法が違う場合は、安い・高いだけでなく、選ぶ理由を聞く。

防水の見積書は4つの順番で読む

防水は、屋上やベランダに雨水が入り込まないように、床や壁の根元を覆う工事です。
表面を保護する塗料だけを塗り直す案と、水を通さない層から作り直す案も、分けて確認します。

読む順番見積書で探す内容確認する理由
1.場所と面積床・周囲の壁・排水口
㎡・m・箇所
どこまで工事するかをそろえる
2.工法と補修防水材の名前、施工方法
撤去・ひび割れなどの補修
使う材料と、工事前の準備を確かめる
3.総額運搬・処分・足場など
消費税、別料金の作業
最後に支払う金額を確かめる
4.保証対象の場所、不具合
期間と連絡先
工事後に困ったときの対応を知る

床と立ち上がりを図で確認

床の周囲にある壁の根元を、見積書では「立ち上がり」と呼びます。
床が50㎡でも、この壁に防水を施工する面積は別にあります。
排水口は、雨水を流す出口です。

同じ屋上の中でも、数える場所が違う123

1:床 2:立ち上がり 3:排水口

床は「㎡」

平らな面の広さ。
図面と現地で確認します。

立ち上がりは「㎡」

周囲の壁に施工する広さ。
床と分けて確認します。

排水口は「箇所」

雨水の出口。
交換や周囲の補修も確かめます。

継ぎ目を埋め直す作業は、長さを「m」で記載する場合もあります。
㎡・m・箇所の数字を、そのまま足し合わせることはできません。
同じ場所を、同じ単位で比べましょう。

業者に確認する質問

「床と立ち上がりの面積、排水口の数は、図面のどこに当たりますか?」

2社の見積書を整理する確認表

見積書にない項目は「含まれていない」と決めつけず、「記載なし・確認中」とメモしてください。
別の項目にまとめてある場合もあるため、会社の回答を聞いてから比較します。

例:床だけの案と、周囲の壁も直す案

次は、工事範囲の違いを説明するための仮の例です。
実際の見積書ではありません。

A社の見積書

床50㎡の記載あり

床50㎡

床の防水が記載されています。
立ち上がり・排水口は記載なし。
別の項目に含まれるか、作業が必要かを確認します。

B社の見積書

床・壁・排水口を記載

床50㎡

床50㎡と立ち上がり12㎡が記載されています。
排水口2箇所の改修も入っています。

A社の合計が安くても、この状態では同じ工事の価格比較になりません。
A社にも、立ち上がりと排水口を含む案が必要か確認し、必要な工事をそろえた後の総額で判断してください。

自宅の見積書を当てはめて確認する

下の項目をメモに写し、A社・B社の欄に見積書の内容と回答を書き込んでください。
スマートフォンでは、表を横に動かして確認できます。

確認項目A社の記入欄B社の記入欄
施工する場所床__㎡
立ち上がり__㎡
床__㎡
立ち上がり__㎡
工法・製品工法__
製品名__
工法__
製品名__
古い防水の撤去範囲__
処分費__
範囲__
処分費__
下地の補修場所・作業__
数量__
場所・作業__
数量__
排水口・継ぎ目排水口__箇所
継ぎ目__m
排水口__箇所
継ぎ目__m
支払う総額税込__円
別料金の作業__
税込__円
別料金の作業__
保証対象・期間__
連絡先__
対象・期間__
連絡先__

工法・単価が違う理由を聞く

工法は、防水を作る方法のことです。
液体を塗って膜にするウレタン防水と、防水用のシートを固定するシート防水では、材料も作業も異なります。

同じウレタン防水でも、作業が違うことがある

床へ直接くっつける方法を「密着工法」と呼びます。
床と防水の間にシートを挟み、内部の湿気を逃がす筒などを設ける方法が「通気緩衝工法」です。
追加する材料や作業があるため、工法名まで確認してください。

自宅の床の状態に合うかは、現地で調べてもらう必要があります。
同じ製品でも、施工する厚さ、補修の範囲、撤去の有無が違えば、単価だけでは比べられません。

業者に確認する質問

「この工法が必要な理由は何ですか? もう一方の工法では、どの点が不足しますか?」

工法の仕組みを図で確認したい方は、ウレタン防水の密着・通気緩衝工法をご覧ください。
床の湿気を逃がすシートと筒が、どこに入るかを確認できます。

シートを使う提案を受けた方は、シート防水の塩ビ・ゴムと固定方法をご覧ください。
材質の違いと、接着・金具による取り付け方を分けて確認できます。

一式・追加工事・排水口の確認

「一式」は作業の内訳を聞く

「下地補修一式」は、防水を施工する前に床や壁の傷んだ部分を直す作業を、まとめて記載したものです。
ひび割れを埋める、浮いた部分を取り除くなど、どこを何か所直すのか、写真と説明をもらいましょう。

一式という書き方だけで、見積書の良し悪しは決まりません。
ただし、含まれる作業と、追加料金になる条件を確認できないまま契約しないようにしてください。

業者に確認する質問

「下地補修の一式には、どの場所の、どの作業が含まれますか?」

排水口の清掃と改修は別の作業

ごみを取り除く清掃と、排水口まわりを防水し直したり部材を取り付けたりする改修は、作業内容が異なります。
見積書の「ドレン」は排水口のことです。
作業内容と対象の箇所数を説明してもらってください。

追加が必要になったときの進め方も決める

古い防水を取り除いた後に、見えなかった傷みが分かる場合があります。
追加作業を始める前に、写真・作業内容・金額を提示してもらい、依頼するか確認する流れを打ち合わせてください。

調査写真と保証書を確認

写真は「工事が必要な場所」を知るために使います。
「ここが傷んでいます」だけで終わらず、床全体を直す理由や、部分補修で対応できるかも聞きましょう。

保証は年数だけで比べず、どの場所の、どの不具合に対応するかを確認してください。
見積書の施工範囲と、保証される範囲が一致しているか、保証書の案や説明書で確かめます。

業者に確認する質問

「工事した場所で雨漏りした場合、誰に連絡し、どの作業まで保証されますか?」

見積もり相談に用意すること

図面、気になる場所の写真、以前の防水工事の資料があれば用意してください。
雨漏りがある場合は、いつ・どの部屋で起きるかもメモします。
高い場所へ登って確認せず、安全な場所から分かる範囲を伝えましょう。

各社へ共通で渡すメモ
  • 施工場所:屋上・ベランダなど。
  • 困っていること:雨漏り・水たまり・表面の傷みなど。
  • 希望:予算、時期、工事中に使いたい場所。
  • 確認したいこと:工法の理由、総額、保証。

防水工事の見積もり比較のよくある質問

Q. 工法が違う2社の見積書は比較できますか?

A. 提案内容は比較できます。
ただし、金額だけで優劣を決める前に、各工法を提案した理由を聞いてください。
施工場所・補修・保証の違いを整理し、自宅に必要な工事を満たしているか確かめます。

Q. 「防水工事一式」の見積書は、書き直してもらうべきですか?

A. まずは内訳の説明を依頼してください。
場所・面積・製品・撤去や補修の内容が分かる明細を、見積書または添付資料でもらえると比較しやすくなります。

Q. ㎡単価が一番安い会社を選んでよいですか?

A. ㎡単価だけでは決められません。
同じ工法・製品の案では、施工範囲と補修をそろえ、別料金の作業や税を含めた総額と保証を確認してください。
工法が異なる案では、各方法が自宅の状態に合う理由も聞いて判断しましょう。

Q. 床の面積が同じなのに、数量が違うのはなぜですか?

A. 立ち上がりの面積や、対象外にする場所の扱いが違う可能性があります。
図面や現地写真で「どこを何㎡と数えたか」を各社へ確認してください。

情報の確認先

情報確認日:2026年10月12日。