モルタル外壁塗装の費用|ひび割れ補修と下塗りを見積書で確認
モルタル外壁の塗装費用は、塗る壁の広さ・ひび割れ補修・下塗りを分けて確認してください。
施工会社の掲載例には、延床30坪のモルタル・コンクリート下地で税込82.5万円~(経費は別途)というプランがあります。
全国共通の相場や、自宅の確定額を示すものではありません。
モルタル外壁は、壁の下地に材料を塗り付けて仕上げるタイプの外壁です。
見積もりを比べるときは、壁を塗る面積「㎡」とひび割れを直す長さ「m」を分けると、金額が違う理由を確認しやすくなります。
この記事では、掲載料金の条件、補修から塗装までの作業、各社へ聞く質問を図と表でご紹介します。
費用の掲載例と、金額が変わる条件
費用の参考として、施工会社が公開するプランを条件と一緒に確認しましょう。
下の例はエル・アップの「エスケープレミアムシリコン」の掲載内容です。
表は左右に動かして確認できます。
| 確認項目 | 掲載内容 |
|---|---|
| 掲載料金(税込) | 82.5万円~ 経費は別途見積もり。 |
| 建物・下地の条件 | 延床面積30坪、モルタル・コンクリート下地の目安。 |
| 含まれる工事 | 外部足場、高圧洗浄、3回塗り、木部・鉄部の塗装。商品代・工事費・保証込み。 |
| 自宅で確かめること | ひび割れ補修の範囲・数量、別途経費、屋根など追加で依頼する場所。 |
出典:エル・アップの料金プラン(2026年10月23日確認)。
延床面積は各階の床の広さの合計です。
壁の塗装面積とは異なります。
床が同じ30坪でも、壁の形や窓の数、足場の組み方が違えば費用は変わります。
「別途経費」は、掲載料金に含まれていない費用です。
何にかかる費用か、明細と金額を確認してください。
掲載料金に何が含まれるかを確認し、別途費用も含めた、自宅の税込総額を出してもらいましょう。
屋根も依頼する場合は、外壁だけのプランと分けて確認します。
塗る面積と、直す長さを分ける
「外壁塗装150㎡」と「ひび割れ補修10m」は、同じ壁でも数え方が異なります。
㎡は面の広さ、mは線の長さです。
補修箇所が増えても、壁全体の塗装面積が同じだけ増えるわけではありません。
塗装する壁=面積
単位:㎡
ミント色が塗る壁の面です。
窓などを引く計算か、面積の内訳を確認します。
ひび割れ補修=長さ
単位:m
赤い線が補修するひびの位置です。
どの線を直し、合計何mかを確認します。
面積と長さの違いを示した説明図です。
実際の数量は現地調査で確認します。
例えば、同じ壁の見積もりを受け取り、次のような数量の違いがあったとします。
A社の提案
塗装:150㎡
ひび割れ補修:5m
中央のひびを補修する例です。
ほかの箇所を補修しない理由も確認します。
B社の提案
塗装:150㎡
ひび割れ補修:12m
左右のひびも補修する例です。
追加した箇所と作業方法を確認します。
灰色の線は図に示したひび、赤い線は各案で補修する箇所です。
数量は比較方法の説明例で、図から長さを測ることはできません。
塗る広さが同じでも、直す箇所が違えば、工事内容をそろえた価格比較にはなりません。
A社・B社それぞれに、補修する場所と数量の根拠を写真で示してもらいましょう。
A社が別の項目に補修を含めている場合もあるため、記載の違いも確認します。
ひび割れ補修・下塗り・仕上げの違い
ひび割れ補修は傷んだ場所を直す作業、下塗りは仕上げの塗料を塗る前に、壁の表面を整える工程です。
同じ「下地処理一式」にまとめられていても、どちらの作業まで含むのか聞いてください。
ひび割れを補修
状態に応じて、割れた部分に補修材を入れる、傷んだ部分を取り除いて直すなどの方法を選びます。
下塗り後、仕上げを塗る
補修後の面に、今の壁と仕上げ塗料に合う下塗り材を使います。
図のローラーは下塗りの作業です。
日本住宅モルタル外壁協議会は、ひび割れの幅・長さ・深さ、発生する場所や外壁の構造によって、補修の要否と方法が異なると説明しています。
「細いから塗装だけでよい」と幅だけで決めず、雨漏りの有無や、周囲が浮いていないかも調べてもらいましょう。
浮きとは、壁材や表面の仕上げが下の部分から離れている状態です。
下塗り材には、壁と塗料を付きやすくするもの、表面を整えるものなどがあります。
例えば日本ペイントの「パーフェクトフィラー」は、下地を整える機能などを持つ下塗り材です。
商品名だけでなく、自宅の壁に使う理由と、仕上げ塗料との組み合わせを確認します。
仕上げ塗りは、壁の外観や表面の保護を担う塗料を塗る工程です。
下塗りと仕上げのそれぞれについて、商品名・回数・必要量を確認します。
「3回塗り」の合計だけでなく、どの材料を何回塗るかを見積書に書いてもらいましょう。
リシン・スタッコ仕上げは何を確認する?
見積書にあるリシン・スタッコは、外壁の表面の模様や仕上げを表す言葉です。
ザラザラした面や大きな凹凸がある面では、同じ平らな面と塗料の使用量・塗り方が異なることがあります。
「モルタルだから、この塗料」と決めず、現在の表面の仕上げも見てもらってください。
日本ペイントは、スタッコ面では凹凸によって塗料の使用量が増える傾向や、弾性塗料・厚膜タイプを使うと膨れが起こりやすい点を案内しています。
弾性塗料は伸び縮みする性質を持つ塗料、厚膜タイプは厚みを付ける塗り方をするタイプです。
伸びる・厚いという特徴だけで選ばず、現在の壁との相性を確認しましょう。
補修した所だけ模様が平らになると、色を塗り直しても跡が分かる場合があります。
補修した場所の模様を周囲に合わせる作業が含まれるか、どの程度の仕上がりを予定しているかも相談してください。
各社の見積書を同じ項目で比べる
足場は、高い場所で作業するための仮設の作業床などです。
養生(ようじょう)は、塗料が付かないよう窓や地面などをシートで覆う作業です。
洗浄・補修・塗装のほか、これらの準備と片付けも総額に含むかを確認してください。
各社の見積書を手元に並べ、次の項目を同じ行で照合します。
単価だけでなく、数量・使う材料・含む作業まで確認してください。
表は左右に動かして確認できます。
| 比べる項目 | 見積書で見ること | そのまま聞ける質問 |
|---|---|---|
| 塗る壁 | 面積(㎡)、塗る面と除く面。 | 窓を引いた面積ですか? 各面の計算も確認できますか? |
| ひび割れ補修 | 位置、方法、長さ(m)などの数量。 | 補修箇所と数量を写真で確認できますか? |
| 表面の模様 | 補修跡の模様を合わせる範囲・方法。 | 補修跡はどのような見た目になりますか? |
| 下塗り・仕上げ | 各商品名、回数、使用量。 | 今の壁にこの組み合わせを選ぶ理由は何ですか? |
| 足場・周辺部分 | 足場・養生・洗浄、雨どいや屋根の範囲。 | 塗る場所と塗らない場所を図に示せますか? |
| 税込総額・保証 | 諸経費、追加条件、保証の対象・期間。 | 追加になる条件と、ひび割れが再発した場合の対応は? |
各社の回答を書き留めるときは、下の5項目を使ってください。
この表を印刷するか、同じ行を手元のメモに作り、見積書から書き写します。
未記載の項目は0円とせず「未確認」と残します。
表は左右に動かして確認できます。
| 比べる項目 | A社の回答を記入 | B社の回答を記入 |
|---|---|---|
| 壁の塗装面積 | __㎡。塗る面:__ | __㎡。塗る面:__ |
| 補修の範囲・数量 | 場所__/方法__/__mなど | 場所__/方法__/__mなど |
| 下塗りと仕上げ | 各商品名__/回数__ | 各商品名__/回数__ |
| 足場・模様の復旧 | 含む/別途/未確認:__ | 含む/別途/未確認:__ |
| 税込総額と条件 | __円。別途・未確定:__ | __円。別途・未確定:__ |
「一式」は複数の作業をまとめた書き方です。
直ちに不適切と決めず、どの場所・数量・材料まで含むかを説明してもらいましょう。
追加が必要と分かった場合は、作業前に写真・理由・金額の提示を受け、了承してから進める手順を決めます。
見積書の各項目・数量・単位の読み方では、足場や洗浄なども含め、見積書全体を確認できます。
現地調査に備える写真と質問
現地調査の前に、気になる場所を次のようにまとめておくと、説明を聞き取りやすくなります。
写真:壁全体と、気になるひび割れの拡大。
安全に見える地上から撮影。
いつから:気付いた時期、前回塗装した時期、雨の日に室内が濡れるか。
希望:外壁だけか屋根も含むか、予算、残したい模様や色。
受け取りたい資料:補修位置の写真、面積・補修数量、材料名と工程、税込総額と保証。
同じ写真と希望を各社へ渡し、提案が違う場合は理由を確認します。
塗装に含む軽い補修か、壁の一部を取り除いて直す工事かでは、費用も作業も変わります。
相見積もりで工事範囲・総額・保証をそろえる方法もあわせてご覧ください。
モルタル外壁塗装のよくある質問
Q.モルタルのひび割れは、塗装だけで直せますか?
A.状態によって、塗装前の補修が必要です。
表面の細い割れと、深さのある割れや浮きでは対応が異なります。
幅だけで判断せず、補修する場所と方法を写真で説明してもらいましょう。
Q.補修の単位がmと㎡で違う場合は?
A.どの場所を、どんな作業で直す数量かを確認します。
mは線の長さ、㎡は面の広さです。
ひびに沿って直す案と、壁の面を取り除いて直す案では数量の意味が異なります。
単価の数字だけを比べず、写真と作業の内訳を見てください。
Q.床面積30坪なら、壁の塗装面積も同じですか?
A.同じではありません。
床面積は各階の床の合計、塗装面積は塗る壁の広さです。
窓・凹凸・壁の形も関わるため、壁の各面の計算を確認してください。
Q.塗り替えより大きな修復工事を勧められたら?
A.傷みの場所と、塗装だけでは対応できない理由を確認します。
修復する範囲、取り除く部分、使う材料と費用を分けてもらいます。
見た目の写真だけでなく、現地調査の説明を受けて判断してください。