外壁塗装の膨れ・剥がれはどう直す?原因調査と補修の見積もり

外壁塗装の膨れ・剥がれは、上から塗る前に、原因と塗膜を取り除く範囲を調べることが大切です。
塗膜は、塗料が乾いてできた膜です。
施工した会社と保証書を確認し、場所・発見時期・前回の工事資料をそろえて調査を依頼しましょう。

原因には、塗膜や下地の傷み、水分、既存塗膜と塗料の組み合わせ、施工時の乾燥条件などが関係する場合があります。
見た目や工事からの年数だけで、施工不良・雨漏り・経年劣化と決めないようにしてください。

膨れ・剥がれは、場所と時期を記録する

地上から安全に撮れる範囲で、壁全体の写真と症状が分かる写真を残します。
壁の方角、窓や雨どいとの位置、初めて気付いた日、雨の後に変化したかもメモしてください。
比較できるよう、後日も同じ場所から撮ると伝えやすくなります。

膨れと剥がれは、塗膜の状態が違う

膨れ

説明用の断面。茶色は外壁の下地、青は既存層、緑は外側の塗膜。緑の一部が持ち上がる膨れ

膜が下の面から持ち上がった状態です。
表面がつながっていても、下で離れている場合があります。

剥がれ

説明用の断面。塗膜の一部が下の面から離れてめくれる剥がれ。実際の剥離層は調査で確認する

膜が付着する力を失い、下の面から離れた状態です。
どの層から離れたかを調べます。

図は、左が壁の下地、右が外側の塗膜となる説明用断面です。
層の厚さは実物の比率ではありません。
自分で膨れを破ったり、塗膜を剥がしたりせず、調査前の状態を残して施工会社へ連絡します。
高い場所へ登って確認する必要はありません。

室内の雨染みがある、症状が広がっている、壁材そのものが落ちそうな場合は、その状況も先に伝えて確認日時を相談してください。
板自体の反りや浮きは塗膜の膨れと別の症状なので、サイディングの反り・浮きの確認点も参考になります。

塗り直す前に、原因と剥がれた層を調べる

施工会社には、発生した場所・離れた層・周囲の付着・水の入り方・過去の塗装をまとめて調べてもらいます。
表面だけの写真では、原因を確定できないことがあります。

調べる項目確認する内容説明に残してもらうこと
剥がれた層上塗りの下か、古い塗膜の中か、壁の下地との境目か断面や調査箇所の写真と説明
周囲の付着見える傷みの周りにも、離れやすい膜があるか除去範囲を決めた根拠
水分と取り合い窓まわりやつなぎ目、雨染みとの関係水の入り口を調べる必要と修理範囲
材料と施工条件外壁の製品、前回の塗料、下塗り・乾燥時間今回使える仕様と必要な処理

日本ペイントは、漏水が原因で同じ場所に膨れが生じる場合、漏水箇所の特定・補修が先に必要と説明しています。
また、アステックペイントは、乾燥不足で塗膜内に残った水分・溶剤が膨れや剥離の原因となる場合を案内しています。
今回どれが関係しているかは、現地で確認してもらいましょう。

国土技術政策総合研究所のセメント系外壁の調査資料でも、発生した層と周囲の付着、水の経路を確認し、部分除去か全面除去かを判断する考え方が示されています。
これは調査の考え方で、すべての外壁材へ同じ補修仕様を当てはめるものではありません。

塗膜を取る範囲と、塗る範囲を分ける

見積書では、古い膜を取り除く面積と、新しく塗る面積を別に確認します。
見えている剥がれの大きさと、必要な除去範囲が同じとは限りません。
周囲の膜の付着状態も調べて範囲を決めます。

同じ傷みでも、塗る範囲が違う2案

A案:周囲を塗り直す

同じ壁の補修案Aの説明図。赤は除去する共通箇所、緑はその周囲を塗装する範囲

説明用の仮定:除去2㎡・塗装10㎡。
赤は除去する場所、緑は周囲を含めて塗る範囲です。

B案:一面を塗り直す

同じ壁の補修案Bの説明図。赤は案Aと同じ除去箇所、緑は壁一面を塗装する範囲

同じ壁・同じ除去箇所の仮定:除去2㎡・塗装40㎡。
緑の範囲を一面へ広げる案です。

上の面積は、違いを示すための説明例です。
実際の施工数量や標準の補修範囲ではありません。
同じ除去面積でも、塗装面積が違う2案を金額だけで比べず、周囲の付着、色・模様の境目、耐久性について理由を聞きます。

下地調整は、弱くなった膜の除去や凹凸を整える作業です。
傷んだ下地まで直す案と、表面だけ塗る案では内容が違います。
板の交換や水の入り口の修理が必要なら、その場所と数量も別に示してもらいましょう。

補修の見積書で作業・数量・別費用を確認

補修費用は、調査・除去・下地補修・塗装・足場などの範囲で変わります。
症状名だけで一律の金額を決めず、調査結果に合う見積書を受け取ってください。
特に足場が必要か、部分補修の最小施工費があるかを確認します。

項目数量・内容費用の確認
調査方法、調査する場所、写真・報告書有料になる調査は実施前に金額を確認
古い塗膜の除去除去する範囲㎡・方法・回収処分塗装面積と区別し、処分費の有無
下地・水の入り口の補修壁の補修㎡、つなぎ目mなど塗装と別の修理・交換の範囲
下塗りと仕上げ製品名・色・面積㎡・回数・施工条件材料と工賃、色・模様合わせを含むか
足場・養生・その他設置撤去、保護する範囲、付帯部別費用、追加時の承認方法と税込総額

「一式」は、まとめた作業を表す書き方です。
記載が短いだけで不要な工事と決めず、作業の範囲・数量・含む費用を追記してもらいましょう。
数量の読み方は、見積書の一式と追加費用の確認点で説明しています。

施工した会社と保証内容を確認する

前回工事の契約書、見積書、保証書、施工写真を用意し、まず施工した会社へ状況を伝えます。
保証書には、期間だけでなく、対象部位・不具合・免責・連絡先があります。
保証期間内でも、すべての症状が無償になるとは限りません。
どの条項と調査結果で判断したか、説明を残してもらいましょう。

保証内容を、契約書と保証書で確認します。
他社に直してもらう前に、調査や補修が保証の扱いに影響するかも確認してください。
保証の読み方は、施工保証・塗料保証・免責の確認をご覧ください。

連絡と回答は日付付きで残します。
原因や補修内容の説明が一致せず話し合いが進まない場合は、契約資料と写真をそろえて住宅の相談窓口へ相談する方法もあります。
新たな塗り替えの会社探しが必要になった段階では、施工会社と比較サービスの選び方で依頼先の違いを確認できます。

外壁塗装の膨れ・剥がれのよくある質問

Q.剥がれたところを塗り直せば必ず直りますか?

A.原因と周囲の状態を確認してから補修方法を決めます。
水の浸入や弱い塗膜が残っていると、塗り重ねても再発する場合があります。
原因への対応と除去範囲を説明してもらいましょう。

Q.保証の対象かどう確かめますか?

A.保証書の対象と今回の調査結果を照合します。
発生場所と時期、症状の写真、前回の工事資料を施工会社へ送り、対象と判断した根拠・費用負担・補修後の保証を確認します。

Q.剥がれていない面も塗る必要がありますか?

A.周囲の付着と、仕上がり・工事範囲によって判断します。
見える剥がれだけで全面塗装を決めません。
部分補修と一面塗装の案について、除去面積と塗装面積、採用する理由を比較します。