タイル外壁の補修費用|浮き・目地・洗浄を見積もりで分ける

タイル外壁の補修費用は、調査・浮きの補修・張り替え・目地・足場を分けて確認しましょう。
塗装面積だけで総額を決められません。

見えるタイルの割れだけでなく、裏側で接着が弱くなった「浮き」や、つなぎ目の傷みも調べます。
直す場所を写真や図面に示してもらうと、見積書の数量と作業を対応させられます。

タイル補修の費用は、工事と単位を分けて確認

工事会社が公開する単価には、1枚・1㎡・1本など異なる単位があります。
数字だけで比べず、「どこを、何をして、いくつ直すか」とセットで読みます。

ロープアクセス(ロープを使って高い場所で作業する方法)による工事を行う株式会社宮古の掲載例は次のとおりです。
税込・税別の区分は同ページの単価欄で確認できないため、依頼時に確認してください。
建物の形や作業環境、調査の実施状況などで金額は変わります。

掲載する工事同社の掲載単価確認する内容
タイル劣化調査200円/㎡~調査範囲、報告書・写真、足場などの費用
エポキシ樹脂注入1,500円/枚~注入する対象、固定方法、目地の仕上げ
張り替え(45二丁芋目地)2,000円/枚~タイルの規格、下地処理、撤去・処分の範囲

エポキシ樹脂注入は、タイルや下地のすき間へ接着用の樹脂を入れ、浮いた部分を接着し直す作業です。

45二丁はタイルの規格の呼び名、芋目地は縦横のつなぎ目をそろえる並べ方です。
上の単価は特定の施工会社・工事条件の掲載例で、自宅全体の見積金額や全国共通の相場を表しません。

例えば、張り替え予定が20枚なら「20枚×1枚あたりの単価」がその項目の金額です。
調査や下地補修、足場、落下対策、処分費を含むかは別に確認します。
20枚は計算方法を説明するための仮の数量です。

タイル・目地・裏側の接着部を調べる

表面と裏側を確認

タイルと目地

タイル面の割れと、タイルの間を埋める目地を別々に見る正面図

タイルそのものの割れと、間を埋める目地の傷みを確認します。
青い線は目地、赤い線はタイルの割れを示します。

裏側の接着部

コンクリート下地、張り付け材、タイルの層を示す説明用断面。浮きのすき間を赤で表示

灰色が壁の下地、ベージュが張り付け材、茶色がタイルです。
赤いすき間は、層の間で起きる浮きの例です。

断面はモルタルなどで張られた壁を簡略化した図です。
接着剤で張る製品などでは構成が違います。
何で、どの下地に張られているかを調査時に確かめてください。

LIXILは、タイルの浮きや割れについて、下地や張り付け材、施工方法も確認する必要性を説明しています。
表面がきれいでも、裏側の接着状態まで目だけで判断することはできません。

目地にも種類があります。
タイルの間の硬い目地と、窓の周囲や建物の動きを受ける部分の弾力のあるシーリングを区別します。
同じ「目地補修」でも、材料と作業が違います。

浮きの補修と張り替えは、違う工事

補修方法の違いを確認

浮き|注入と固定

浮いた仕上げ層のすき間に樹脂を注入し、ピンで固定する工法の概念図。配置や厚みは施工指示ではない

裏側のすき間へ接着用の樹脂を入れる案です。
ピンで固定する工法もあり、浮いた層と必要な範囲に合わせて選びます。

割れ|張り替え

割れたタイルを取り外した場所に、下地を整えて新しいタイルを張る工事の概念図

傷んだタイルを外し、下地を整えて新しいタイルを張る案です。
図の緑色が交換するタイルです。

アンカーピンは層を固定する金属のピンを指します。
施工方法によって注入する位置や本数、仕上げ方が異なります。

国土交通省の標準仕様書では、モルタルで張った既存の外壁について、浮きがどの層で起きているかで補修内容を分けています。
戸建て・接着剤張りを含むすべての壁へ、同じ工法をそのまま当てはめないことが大切です。

調査した広さと、直す数量をつなげる

打診調査は、道具でタイルの表面を軽くたたき、音などから接着状態を確認する調査です。
調査会社に方法と範囲を確認し、調査した壁全体の面積と実際に直す場所の数量を分けてもらいます。

見積書の項目説明用の数量例報告書で対応させる場所
調査範囲東面100㎡調査した壁面と、調べていない範囲
浮き部の固定A範囲5㎡・ピン○本補修図のA範囲、工法と本数の根拠
タイル張り替えB範囲20枚割れ・欠けなど交換するタイルの位置
目地の補修窓まわり○mどの窓のどのつなぎ目を直すか

数量はすべて説明用です。
100㎡を調査して5㎡に浮きが見つかった場合、調査100㎡と補修5㎡は別の作業の数量になります。
ピンの本数を㎡と同じ数字で読まないようにしましょう。

足場を設置した後に詳しく調べる案では、最初の数量が仮のこともあります。
増減する場合は、施工前に写真・数量・金額の説明を受けてから決める手順を、見積書へ残します。

洗浄・保護材を勧められたら目的を確認

洗浄は汚れを落とす作業、保護材の塗布は表面や目地を保護するために材料を塗る作業です。
洗う・塗る作業と、浮いたタイルを固定する補修を分けて確認します。

タイル外壁だから必ず全面塗装する、という決め方はしません。
タイルの種類、目地や下地の状態、提案する材料の適用範囲を説明してもらいましょう。

同じ調査結果で見積書を比べる

各社へ同じ写真と調査図を渡し、調査範囲、注入・固定、張り替え、目地、足場を同じ項目で見積もってもらいます。

共通にする項目A社に記入してもらう内容B社と比べる点
調査方法・面積・報告内容調べる範囲は同じか
浮き補修場所・工法・㎡・枚数・本数対象の層と数量が同じか
張り替え規格・枚数・色・下地処理既存と同じタイルが手配できるか
目地・周辺材料・m・窓まわりの工事硬い目地とシーリングの範囲
工事全体足場・落下対策・処分・税込総額追加時の説明と工事後の確認方法

工事後は、補修した場所と施工写真を報告書で照合します。
保証が付く場合は、対象の補修箇所・不具合、期間、対象外の条件と連絡先を契約前に書面で確かめてください。
「補修した箇所が再び浮いた場合は、どこまで対応してもらえますか?」と聞いておくと、工事後の相談先も分かります。

タイルが落ちた、壁がふくらんでいるなどの場合は、その真下へ近づかず、建物の管理者や外壁補修の専門業者へ連絡してください。
自分ではがす・高い場所へ上ることは避けます。
集合住宅では管理会社や管理組合へ先に相談しましょう。

タイル外壁補修のよくある質問

Q.タイル外壁は塗装しなくてもよいですか?

A.タイル・目地・下地を調べ、必要な工事を決めます。
洗浄や保護材を提案された場合も、目的と適用する材料、浮きや割れの補修を別に確認してください。

Q.浮きは写真だけで分かりますか?

A.写真だけで裏側の接着状態を確定できません。
打診などの調査方法と対象範囲、調査結果の報告を依頼してください。

Q.見積書は枚数と㎡のどちらがよいですか?

A.作業ごとの単位と、その数量が指す範囲を確認します。
張り替えは枚数、調査は㎡、目地はm、固定は本数などで示されることがあります。
図と見積書を対応させましょう。